ヒロイン メイク スムース リキッド アイライナー スーパーキープ 01 漆黒ブラック
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まず本レポートの信憑性を担保していただく為に私の素性を申しますと、現在はリタイアした身ですが以前は音響機器メーカーで業務用音響機器の回路設計に従事していた者です。オーディオ回路に関しては素人ではなく、技術的に間違った事は書いていないつもりです。私が本製品を購入した用途は、手持ちCDのほとんどをMP3ファイルにしてスマホに入れたので、それをbluetoothで飛ばして居間で手軽に聞く為です。bluetooth受信機はエレコム社の製品を購入し、スピーカーは余っていた16cm2ウェイを接続しています。まともなオーディオ・セットは別にあるので、この製品は「安く音が出れば良い」程度の期待で買いました。夜に注文すると翌日発送で翌々日に届きました。家で余っていたACアダプターを流用して電源をオンすると「一応」音は出ました。送料を考えると本体価格は1000円程度でしょう。もし同程度のアンプを自作すれば部品代だけでこの値段は超えてしまいます。中華アンプ恐るべし!とは思ったものの、音楽を聞くとトーン・コントロールつまみが中点位置で周波数特性がフラットになっていない感じがします。スーパー・バス・ボタンも効果を感じない。そもそも外箱や取説の記載内容は矛盾だらけです。外箱には搭載機能をアイコン化して表示していますが、DC12V、ステレオ、EQ、は良いとして、SDカードやMP3やUSBの記載は何を意味しているのか?恐らく、SDカードスロットとUSB端子を装備してMP3ファイルを再生できる上位製品の外箱デザインを、その意味も考えずにコピペしたのでしょう。取説のスペック欄では、電源入力がDC12V-15V/2Aで、アンプ出力が20W×2 (RMS) となっていますが、電圧15Vで電流2A入力時の電源パワーは30Wしかないのに、どうして20W×2が出力できるのか?10W分のパワーはどこから湧いて出た?このアンプは永久機関内蔵なのか?また、歪率の記載は、"Minimum THD:<0.4%"となっていますが、数値の小さい方が好ましいスペックは「バラツキ範囲の中で悪い方の物でもこの数値以下である」という意味で、"Max THD:<X%"と記載すべきものです。マニュアルの記載項目は製品担当者が思いつきで書くものではなく、会社として記載項目をフォーマット化すべきものであり、オーディオ・メーカーとして根本的知識に欠けていると言わざるを得ません。などなど。ただ一言添えておくと、アマゾンのこのページの商品タイトルでは、アナログ・アンプである本製品に対して「デジタル・アンプ」との文言が入っていますが、外箱やパネルやマニュアルにその記述はないので、この詐称は販売店かアマゾンの誤記載でしょう。また、アマゾンの当ページの製品紹介文中で「パナソニック社のAN7190オーディオアンプICを使用」と記載していますが、後述するように本製品のパワー・アンプ回路にはSTマイクロエレクトロニクス社のTDA7266SAを使っています。しかし当製品の外箱や取説に「Panasonic AN7190搭載」と言った文言はなく、これも販売店かアマゾンの誤記載と思われます。ところで話は変わりますが、私が流用したACアダプターは壊れたスキャナーを捨てた時に勿体なくてとっておいた物で、スイッチング方式で出力が12V/1Aの製品です。アンプ回路には2割程度のロスがあるので、電源の電力が12Wならばスピーカーに出力できるパワーはせいぜい5W×2くらいでしょう。私は大きな音を鳴らすつもりはないのですが、うっかり大音量にしてACアダプターが過負荷になると、ACアダプターを壊す可能性があります。(ACアダプターにも出力保護回路が入っているとは思いますが)流用でもう一つ注意すべき点は、ACアダプターのDCプラグの極性は、内側が+で外側が-とその逆の2種類があって、業界で規格が統一されていない事です。本アンプの電源入力端子は内側が+で外側が-ですが、過去のレビュー記事で「不良品でした。まったく動きません」とレポしている方の中には、極性が逆のACアダプターを接続して電源オンと同時に本製品を瞬殺してしまった方がいるかもしれません。また、ズシリと重いトランス式のACアダプターは電圧安定化回路の入っていない物がほとんどで、負荷が軽い状態では表示電圧よりも高い電圧を出力しているので、トランス式ACアダプターを接続する場合はその出力電圧が15V以下である事をテスターで確認する必要があります。ACアダプターの流用は自己責任で行うもので、電気知識の無い人は本アンプ用のACアダプターを買うべきです。閑話休題。と、まぁ、いろいろな疑問点があり、いったいどんな回路設計をしているのだ?という興味が湧いて、本製品を分解して内部回路を読み取りました。CR類は端子部品とチップ部品を併用しており、端子部品とチップ抵抗は定数が読み取れますが、チップセラコンは容量が記載されていないので、トーン・コントロール回路の時定数の設計までは判りません。読み取った回路図はCADで清書し、画像ファイル化して添付写真中にアップしたので、興味のある方は参照ください。定数の解る範囲で回路設計を検討すると、驚愕、唖然、失笑、と、まともな技術者から見ればツッコミどころ満載です。アナログ回路の基本を理解していない三流技術者(日本で言えば電子工作が趣味の高校生レベルか)が技術に疎い経営者をたぶらかしてハッタリで「出来る技術者」を装い、出来合いのアナログ回路を本質は理解せずにコピペして組み合わせ、取り敢えず音の出る回路を作りました、という状況が見えてくる面白い設計です。まぁアナログ回路は、致命的なミスさえしなければ、そんな設計でも「とりあえず」動きますからね。なお、本製品が到着してから分解するまでには一週間ほどの期間がありました。本製品のネジが特殊で手持ちのねじ回しでは開けられず、ホームセンターで0.89mmの六角レンチを買って来る必要があったからです。その間に本ページに投稿されたレビュー記事を拝見すると、私以外にも本製品の疑問点、問題点を指摘している方が少なからずおられます。そこで、私が本製品の回路設計に対して述べる前に、それらの先達に敬意を表し、既に指摘された問題点を検証します。・ステレオの左右が入れ替わっている件。本当です。そもそもピン・ジャックの赤白の色はCEA規格で、赤=ステレオR、白=ステレオL、と決められているのですが、本製品のリア・パネルを見ると、赤い方のピン・ジャックがL、白い方がRと表示されています。色と表記のどちらが正しいのかと言うと、表記が正しく、赤いピン・ジャックから入力した音が、スピーカー出力のL側から出てきます。CEA規格違反ではありますが、リア・パネル表記に従って接続すると左右が入れ替わってはいません。ところが、フォーン・ジャック入力から入力した信号は、左右が入れ替わって出てきます。ステレオ・フォーン・プラグのLとRは、先端側(チップ)がLとEIA規格で決まっているのですが。表面的にはピン・ジャックの配線は正しいが、ピン・ジャックの赤白の色とミニ・フォーン・ジャックの配線が間違っていると言えます。こうなった経緯を推測するに、この製品の設計者が回路を真似したパクリ元の回路設計では、入力回路のピン・ジャックとフォーン・ジャックは正しく接続されており、本製品も入力回路の段階までは正しく配線できていたのですが、パワーアンプ回路へ接続する段階で左右を間違えてしまったのでしょう。問題はその対策法です。本来であれば基板のパターン修正をして左右を正しく配線し直すべきですが、リア・パネルのLとRの表記を入れ替えて対策したつもりなのでしょう。しかし、それではCEA規格違反であり、かつフォーン・ジャックの左右の入れ替わりまで直せていない事に気づいていない。問題が起きた時に根本的対策を取らずに、楽をして小手先の弥縫策で対策出来たつもりで、本人はボロが出ている事に気付いていない、というのは正に漢民族の民族性です。追記:最近のアマゾンの当ページで当製品のリアパネル写真を見ると、ピン・ジャックの赤白の色を入れ替えて、CEA規格には適合させたようです。・パワーアンプ回路にはパナソニックのAN7190ではなくTDA7266SAを使っている件。本当です。型番の頭にTが付くので、私も最初はこのICは東芝製と早合点しましたが、ネットでデータシートを捜すとSTマイクロエレクトロニクス社製でした。前述のように「AN7190」云々は販売店かアマゾンの誤記載と思われますが、TDA7266SAのデータシートを読むとこのICの出力は7W×2です。当製品の取説のスペック欄には「Output power : 20W×2 RMS」と明記しており、これは真っ赤なウソ。20W×2の出力が目当てで買った人は、詐欺にあったに等しいです。そもそも、このアンプはケース全体を放熱板として利用している設計ですが、いわゆるD級方式のデジタル・アンプならともかく、20W×2のアナログ・パワーアンプをこの大きさの放熱板で冷却するのは、強制空冷でもしない限り無理でしょう。・パワーアンプICは放熱板にビスで固定されておらず、ICの端子のバネ性に頼って押し付けているだけの件。本当です。端子のバネ性に頼るだけなら、経年変化でいつかはバネの力は弱まります。圧着力が弱まって熱伝導率が下がれば、ICが熱破壊される可能性があります。まぁ、7W×2程度のパワーICの冷却なら、放熱板に触れてさえいれば大丈夫だとは思いますが。・ミューティング回路の時定数が推奨回路通りになっておらず、電源オン時に「ボッコン」とノイズが出る件。本当です。TDA7266SAのデータシートの推奨回路では、ミュート端子の制御電圧の時定数回路を47kΩ抵抗2本と10μFケミコンで構成していますが、本製品の該当回路は9.1kΩと10kΩと10μFで、時定数は推奨回路の約1/5となっています。このレポートをされた方は、時定数を変更してポップノイズを改善したそうです。電源オンのたびに「ボッコン」と音がするのは耳障りなので、後述するように私も変更しました。・内部電源回路の電解コンデンサーの耐圧が16Vで、電源入力端子のmax値15Vに対して余裕が少ない件。本当です。DC入力が入った直後のケミコン C1(2200μF)とトンコン回路電源のC6、パワーアンプ回路電源のC3は、耐圧が16Vしかありません。一般の電子機器は誤差が5%くらいはあるもので、もし出力電圧が15VのACアダプターを接続して、その出力電圧誤差が+5%だったら実際の電圧は15.75Vとなり、耐圧の余裕がほとんど無くなります。マニュアルのスペック欄に「Input power:DC12V-15V」と書いて15V入力まで認めるなら、電源回路のケミコンは耐圧25V品を使うべきです。コストダウンで16V品を使うなら、マニュアルの記載は「DC12V」とするべきでしょう。・電源スイッチは電源表示LEDの点灯を制御しているだけで、アンプ回路に電源は入りっぱなしで電源スイッチオフでも約50mAを消費している件アンプ回路に電源が入りっぱなしなのは本当です。電源スイッチは電源表示LEDの点灯と、パワーアンプICのミュート端子とスタンバイ端子のオンオフを制御しています。データシートによるとTDA7266SAの無信号時消費電流は50mAですが、スタンバイ端子オフ時は0.1mAに低下します。電源スイッチオフ時に他に電流を消費しているのはOPアンプの5.7mA(max値)と中点電位回路の抵抗による0.6mAだけのはずです。このレポートの電源オフ時の消費電流50mAというのは、テスターの読み間違いでないとしたら、その製品のスタンバイ端子がイモハンダ等の原因で電源スイッチオフ時にスタンバイモードになっていない可能性が考えられます。しかしながらスタンバイ端子が正常な良品であっても、電源入りっぱなしでOPアンプが約5mAを消費し続ける設計は正当化できません。電源表示LEDは電源スイッチでオンオフしているのですから、なぜOPアンプの電源電圧もそこから引かないのか?と言う訳で、私はOPアンプ回路の電源を電源スイッチ通過後から引く改造をしましたが、別の問題が。前述のミューティング回路時定数を変更してボッコン音対策をして、電源オン時のノイズは消えたものの、電源オフ時のボッコン音は出るようになりました。恐らく、電源オフ時にパワー・アンプ回路のミューティングが作動する前にOPアンプがオフしてノイズを出しているのでしょう。対策としては、ミューティング回路の時定数とOPアンプ電源回路のケミコン容量を調整して、電源オフ時にミューティングが作動した後にOPアンプオフ時のノイズが発生させるか、或いはOPアンプ回路の電源を入れっぱなしにするかですが、そこまで手間をかける気はないし後者の手段はエコではないので、オフ時のボッコンには耳をふさぐ事にします。以上が、本ページのレビュー記事で既に指摘されている問題点です。これから述べるのは、この製品の回路を読み取って私が気付いたポイントです。(本ページのレビュー記事のすべてにじっくりと目を通した訳ではないので、私より先に指摘している方がいるかもしれませんが)まず、本製品の回路構成を説明します。ピン・ジャック及びフォーン・ジャックから入力されたステレオ信号は、2連可変抵抗器V3でレベル調節したのち、OPアンプU2による反転増幅器で10倍に増幅し、V1,V2によるCR型トーン・コントロール回路を通過して減衰した後、U1のパワーアンプIC TDA7266SAで増幅され、スピーカー出力端子から出力されます。TDA7266SAの内部回路構成はBTL接続なので、スピーカーのマイナス端子はGNDではなく、反転信号が出力されています。(後述するように実は正転信号だが)驚愕1 入力端子からスピーカー出力端子の間で、信号の位相が反転している。初段のOPアンプが反転増幅回路なので当然の結果です。初段で反転するなら、パワーアンプICの正転出力と反転出力を入れ替えれば済む事ですが、それに気付かないとは!音波とは空気の疎密波であり、例えばピストルが「パン」と鳴った時には火薬の膨張でまず空気の密な部分が発生して音波として周囲に広がり、それが人の耳に到達して鼓膜を押します。太鼓をバチで「ドン」と叩いた時は太鼓の皮が凹んで空気の疎な部分が発生して周囲に広がり、それが人の耳に到達して鼓膜を引っ張ります。これらの音響現象をスピーカーで再生する場合、空気の密な部分を再生する時にはスピーカーのコーンが前に出て、疎な部分を再生する時には凹まなければなりません。アンプの位相が反転していると、引き金を引いた瞬間に空気を吸い込むピストルや、バチで叩いた瞬間に皮が出っ張る太鼓を再現する事になります。まぁ、音波の位相が反転していてもそれを聞いて分かる人はほとんどいないでしょうが、より現実的な不具合としては、複数のアンプで複数のスピーカーを駆動するマルチ・スピーカー・システムを構成する場合に、他のまともなアンプの中にこのアンプが混じると、位相が干渉してクロス・オーバー・周波数で周波数特性にディップが生じてしまいます。驚愕2 出力レベル・インジケーターのLED2は、Lチャンネルのスピーカー出力信号で直接駆動している。U1の1pinと2pinの間(Lch出力側)に180Ω抵抗R1を介してLED2を直接接続しています。Lチャンネルの出力電圧がLEDの順方向電圧降下値を超えるとLEDが点灯しますが、LEDがオンした瞬間にパワーアンプICの負荷にLEDが加わるので、原理的には歪みが発生します。それに、このレベル・インジケーターはRチャンネルでどれだけ大きな音を出そうが無反応です。唖然13つの2連可変抵抗器は、全てBカーブ。音量調整とCR型トーン・コントロール回路の音質調整の可変抵抗器には、Aカーブを使うのがセオリーです。トーン・コントロールつまみが中点の位置で周波数特性がフラットにならないのは当然です。CR型トーン・コントロール回路については、検索すればいくつかの解説記事がヒットしますが、例を上げれば「電子マスカット」のサイト(http://www.zea.jp/audio/schematic/sc_file/008.htm)に詳しい説明があります。もしこの回路設計者が、Aカーブの可変抵抗器で設計されたCR型トーン・コントロール回路の元ネタ回路をコピペして本アンプのトーン・コントロール回路とする時に、可変抵抗器のカーブの意味を理解しておらずBカーブに変更してしまったと仮定すると、このアンプのトーン・コントロール回路で周波数がフラットとなるつまみの位置は「午前10時」あたりになると推測します。「午前12時」すなわち中点位置は、本来のまともなトーン・コントロール回路で「午後2時」の位置に相当します。バス、トレブルとも「午後2時」なら「ドンシャリ音」です。追記:カーブを間違えたのではなくワザとBカーブに変えた気がしてきました。目的はツマミ中点位置でドンシャリ音にする為です。素人さんの耳にはその方が「良い音」なんでしょうが、純粋オーディオ的観点から言えば邪道です。唖然2入力のピン・ジャック端子とフォーン・ジャック端子のLチャンネル同士とRチャンネル同士が直結されている。2つの入力端子のそれぞれに2種類の機器を同時に接続すると、その2種類の機器の出力端子同士がショートされてしまいます。普通は、フォーン・ジャック端子に内蔵されたスイッチ接点を利用して、フォーン・ジャックにプラグが挿された時はピン・ジャック端子の接続が切れてフォーン・ジャック側が優先される設計にするのですが。このアンプではせっかくスイッチ接点付きのジャックを使っていながらそのスイッチを利用せず、ピン・ジャックとフォーン・ジャックを直結しています。まぁ、接続相手の機器の出力端子にはショートに備えて保護抵抗を入れているでしょうから、2種類の機器の出力端子同士がショートされても壊れる事はないでしょうが。失笑1スーパー・バス・ボタンのブースト効果は、計算上は超低域で+0.4dBしかない。オンしてもぜんぜん効果を感じないので、どんな回路なのかと私的には一番興味の湧いた箇所ですが、CR型トーン・コントロール回路のバス側可変抵抗V2の入力側抵抗R16,R17(10kΩ)に、スーパー・バス・ボタンをオンするとフィルター回路が並列に接続されて超低域のみがレベルアップする設計ですが、そのレベルアップを計算すると+0.4dBしかありません。超低域信号はパワーアンプIC入力のC4,C5でカットされるので、実際はもっと小さいでしょう。よほど耳の良い人でない限り効果が判らなくて当然です。低域をブーストしたいなら、U2のOPアンプ回路のNF側を工夫すれば、任意のゲインでブースト出来るのに、それに気付かないとは!この回路設計者の技術レベルをアマチュア高校生なみと判定する理由です。失笑2アンプ入力端子の入力インピーダンスが、U2のOPアンプ反転回路の入力側抵抗R19,R25(2.2kΩ)の影響を受けて変化する。OPアンプ反転回路のマイナス入力端子はイマジナリー・ショートで交流的にはGNDと同等とみなせるので、音量ツマミを最大にした状態では、本製品の入力端子には音量調整用可変抵抗器V3とR19或いはR25が接続される事になり、入力インピーダンスはV3(100kΩ)とR19(2.2kΩ)の並列合成抵抗値≒2kΩとなります。マニュアルの仕様欄で入力インピーダンス47kΩと書いているのは真っ赤なウソです。このアンプの音量調節回路は、R19とR25の2.2kΩの影響で音量調整用可変抵抗器V3のBカーブが下方向へ曲げられて、つまみを左へ回した位置(時計で午前8時から午後2あたり)ではあまり音量が変化せず、つまみの位置が右に来て(午後2時以降)急激に変化すると予想されます。私は分解前は小さな音量でしか聴いていないので気づきませんでしたが。それに音量調節つまみ最大時は、入力カップリングコンデンサの2.2μFと入力抵抗2.2kΩで形成されるローカット・フィルターのカットオフ周波数が約30Hzで、可聴帯域に食い込んできます。10μF以下の小容量ケミコンは価格は変わらないので、なぜこのコンデンサに2.2μFという小さな値を使うのかが謎です。失笑3OPアンプ回路の中点電位回路のケミコンC9が220μF/25Vと、無駄にデカい。最大でも15Vのはずの電源電圧をR22とR20で分圧して中点電位を作っているので、印加電圧は最大でも7.5Vの箇所になぜ耐圧25Vのケミコンが必要なのか?電源のケミコンは耐圧がギリギリなのに、こちらは超余裕。恐らく、OPアンプ回路の教科書で、30V片電源から中点電圧を作る回路例をコピペしたのでしょう。容量も超余裕。OPアンプ反転回路のプラス側入力端子は電流はほとんど流れないのでケミコンの容量もいらない。大容量が必要なのは、OPアンプ正転回路の中点電位を作る場合で、正転回路のNF側抵抗から電流が流れ込んで来てその影響を抑えたい場合です。OPアンプ回路でもう一つ指摘するとプラス入力端子に入れているR21,R23も無駄。OPアンプのプラス入力端子は中点電位に直結すれば済みます。ここに抵抗を入れるのは、直流増幅回路においてOPアンプ入力のバイアス電流の影響による中点電位のズレを、プラス入力とマイナス入力の間でキャンセルしたい場合です。本回路は交流増幅器で出力信号の直流分は後続のコンデンサで切っていますから、中点電位の僅かなズレを気にする意味がありません。無駄な部品を入れると、無駄な部品代がかかるのみならず、ハンダタッチやイモハンダによる不良発生のリスクを無駄に増やしてしまいます。失笑4ケースを介してGNDがループを作っている。本製品のGND引き回しは、C1のマイナス端子でパワー系と信号系に分けていますが、パワー系GNDはU1の放熱板近傍で放熱板を介してケースに落とされ、信号系GNDはピンジャックのGND端子を介してケースに落とされており、ケースを介してGNDがループを作っています。もし本機がAC電源機器ならハムを拾うところです。失笑5U1近傍の謎のケミコンC3パワーICのU1近傍のケミコンC3(100μF)は、U1の信号系GNDとパワー系電源の間に入れているが、この目的が謎でした。U1の発振止めなら容量が大きすぎるし、電源のパスコンならパワー系GNDとパワー系電源の間に入れるべきです。が、データシートの推奨回路例を見ていてハタと気づきました。その回路では電源の大容量ケミコンとパラに100nFのコンデンサを接続しています。100nF=0.1μFで、これは電源回路の常套手段で、大容量ケミコンの弱点である高周波インピーダンスを下げる目的でパラに入れるセラコンですが、本機の設計者は100nFを100μFと間違えてケミコンを入れたと推測します。それもどこに入れていいか判らず、信号系GNDとパワー系電源の間に入れてたのでしょう。その他1トーン・コントロールの可変抵抗器のカーブの選定ミス以前の問題として、CR型のトーン・コントロール回路を採用した事が無知丸出しです。NF型を採用しておけば、Bカーブの可変抵抗器の「12時」の位置で周波数特性はフラットになりますから。トーン・コントロール回路の変遷を思い返せば、CR型は1970年代までのOPアンプの入手が一般人には簡単でなかった時代の回路です。トシがバレてしまいますが私が中学生の頃の「初歩のラジオ」誌や「ラジオの製作」誌のオーディオ・アンプ自作記事では、トーン・コントロール回路はCR型でした。トランジスタ2~3石のアンプでトンコン回路の減衰分を先に増幅してからトンコン回路を通過し、トランジスタ1石のエミッタ・フォロアで受けるという構成でしたかね。80年代以降のOPアンプが一般に出回る時代になってからはNF型が主流です。実は私もかつて設計を担当した製品でCR型トーン・コントロール回路を採用した事があります。その製品の回路は、入力側にマイク・アンプがあり、トーン・コントロール回路と音量調整回路を経て出力側にライン・アンプがある構成でした。この場合は、NF型を採用するとトンコン回路用にOPアンプを一個追加しなければなりませんが、CR型を使えばOPアンプを追加必要はなく、前後のマイク・アンプとライン・アンプのゲインを少し上げて、CR型トンコンの減衰分を補ってやればよいからです。一方、CR型のデメリットは、周波数特性を中点位置でフラットにするのが難しい事にあります。可変抵抗器の誤差には抵抗器全体の誤差が±20%あると同時に、そのカーブにも誤差があります。100kΩ可変抵抗器ならその100kΩが80kΩ~120kΩの範囲でバラつく可能性があると同時に、Aカーブならそのカーブも誤差を持つ可能性があります。前述の「電子マスカット」のページでは「使用するボリュームはAカーブの50KΩを使用で機械的中心では85%:15%を条件に実際に設計してみましょう」と書いていますが、実際のAカーブの可変抵抗器は、その機械的中心で85%:15%に分割されるとは限らず、84%:16%だったり87%:13%だったりする可能性があります。可変抵抗器にカーブ誤差があれば、つまみの位置が中点でも周波数特性がフラットになりません。このアンプの回路構成では初段のU2でOPアンプを使っているのですから、U2でNF型トーン・コントロール回路を構成すれば、コスト的には同等で周波数特性のフラットなトーン・コントロール回路が実現できます。NF型回路に使用する可変抵抗器はBカーブなので、可変抵抗器全体の抵抗値の誤差は存在しても、「カーブ誤差」はありません。厳密に言えばBカーブも炭素皮膜の形成誤差で直線性がうねる可能性があります。もしそこまでこだわるなら、中点タップ付き可変抵抗器を使う事で中点位置での周波数特性を完全にフラットにできる方式のNF型トンコン回路もあります。恐らく中国の三流技術者の間では、日本で1980年頃のトーン・コントロール回路の主流がCR型からNF型へ移り変わる過渡期の回路が、コピペされ続けているのでしょう。私が中学生の頃のCR型のトーン・コントロール回路の初段のトランジスタ増幅器をOPアンプ増幅器に入れ替えた回路、というのが正に過渡期っぽいです。その他2CR型トーン・コントロールの前段にゲイン10倍の反転増幅器として入れているOPアンプU2は、新日本無線のNJM4558を使っています。4558は1980年代に一世を風靡したOPアンプですが、1990年代に入って4560、4565、4580、とより性能が改善された後継製品が登場して第一線を退きました。21世紀の今となってはメーカーの調達価格はほとんど同じで、4558を選定する必然性はありません。恐らく中国の三流技術者の間では1980年頃の回路がコピペされ続けていて、現在はより性能の良いOPアンプがある事を知らないのでしょう。という訳で、私はこのアンプの回路の設計には価値を認めませんが、買って後悔してはおりません。そもそもは小型アンプを自作するつもりだったので、部品代と電車賃よりやすく綺麗なアルミ・ケース入りのパワー・アンプが入手出来たので大満足です。問題のトーン・コントロール回路は迷った末に結局NF型に改造したので総合評価は個人的には★5ですが、改造出来ない人には★5とは言えないので、中立という意味で★3とします。追記:私のトンコンNF型改造のレポは、本欄は字数制限に達して書き込めないので、コメント欄の場を借りて報告しております。
ゆたか 3
パソコンでもBlu-rayデッキでも使えるのは数枚でした。本当、大切なお金を無駄にしてしまった・・・。
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