a donde vas 4 1985年ロンドン初演から34周年を迎えた公演をコンサート形式にした舞台。その間、劇場はパレス・シアターからクイーンズ・シアターに移ったが、この作品はさらにその隣のGielgudシアターにて、2019年12月2日に録画された。歌だけをとりだしたコンサートかと思ったら、衣装も演技もほぼ舞台と同じ、違うのは俳優がマイクの前で観客を向いて台詞を言ったり歌ったりすることと、舞台セットが小ぶりで、オーケストラが舞台奥に配置されていることだろうか。いくつかのシーンもカットされているかもしれない。映画のような、痛々しい抜歯やお別れシーンもない。小さくまとまっていて見やすく、劇場で見るより俳優の表情やつばもよく見える。本編は2時間で、最後の20分は舞台挨拶や歴代ジャンバルジャン4人による共演など、必見のボーナス映像となっている。自分が執拗に追い詰めてきたジャン・ヴァルジャンに、憎しみとも怒りとも無縁な対応をされて、価値観が崩れて苦悶するジャベール警部を演じるMichael Ballが特に良かった。彼は、34年前の初演時はマリウス役だったらしい!これだけ長く続けるってすごい。